暴排対処例
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複合レジャー施設で初の暴排協が誕生
日本有数の都市型総合娯楽ゾーン、東京ドームシティ(東京・文京区)を構成する各企業が暴力団をシャットアウトする協議会を結成し、利用客の安全・安心を確保するために立ち上がった。巨大エンターテインメント地区の企業が大同団結して暴力団排除の組織を設立するケースは全国でも例がなく、きわめて画期的。暴力団の排除・壊滅を図る意味から、各地の施設でも連鎖反応的な動きが出ることが期待される。
東京ドームシティはプロ野球、読売ジャイアンツの本拠地になっている東京ドームをはじめ、東京ドームホテル、 東京ドームシティアトラクションズ(後楽園遊園地)などのスポーツ、レジャー施設が集まる一大娯楽ゾーン。資金源を求める暴力団にとっては、格好のターゲットになっている。とりわけ、東京ドームは暴力団が関係するダフ屋の横行、私設応援団による座席の占拠や座席券の高額売りつけなどが目に余るため、平成14年に「暴力団断絶宣言」。16年にはプロ野球暴力団等排除対策協議会を設立して、暴力団の締め出しを図ってきた。
今回はこうした取り組みを、東京ドームシティ全域の商業テナントやグループ会社まで拡大する気運や条件が整ったため、「東京ドームシティ暴力団等排除対策協議会」が設立されることになった。
設立総会と発足式は平成19年11月19日、東京ドームホテルで行われた。
総会は東京ドーム・久代信次専務執行役員があいさつし、同専務が議事進行の議長となって議案を審議。協議会設立趣旨▽会則▽役員▽事業計画が原案どおり承認された。設立趣旨は「関与してくる暴力団等を排除し、東京ドームシティを訪れる客の安全と安心の確保」を謳い、会則にもその趣旨がしっかり条項として盛り込まれた。協議会の会長には東京ドームの林有厚社長、会長代理には久代専務がそれぞれ選出された。また、代表幹事にはトリコロール・森由一社長▽セブン&アイ・フードシステムズレストラン事業部デニーズ東京ドームシティ・塩谷渉店長▽シミズオクト東京ドーム・高野誠執行役員▽全日警東京中央支社・佐藤猛警務部長▽東京ドームホテル・土屋誠次社長の5人が選ばれた。
発足式は、会長代理に選出された久代専務の冒頭のあいさつに続いて同施設に関係する警察署を代表して富坂警察署長が「些細なことでも相談を」と呼びかけた。来賓として招かれた警視庁の組織犯罪対策部長、暴力団追放運動推進都民センターの専務理事は「連携なくして暴排なし」を訴え、同庁の組織犯罪対策第三課長が、久代会長代理が読み上げた暴力団排除宣言書を受け取り閉幕。
協議会は今後、暴力団の排除キャンペーンや不当要求防止責任者講習会、保安会議などを精力的に展開して東京ドームシティの健全化、明朗化に全力を上げる。
金融機関で初の「暴力団等排除対策協議会」を設置 ~略称は「しんきん暴排協」~
東京都信用金庫協会(以下、東信協、石原哲夫会長)が、業界を挙げて暴力団等の反社会的勢力との断絶をさらに徹底すべく、金融業界の中で先駆け、都内所在の信用金庫を中心とした「東京都信用金庫『暴力団等排除対策協議会』略称『しんきん暴排協』」(石原哲夫会長)を立ち上げ、6月27日、都内で発足式を開催した。
同会の設置は、東信協が警視庁組織犯罪対策第三課、暴力団追放運動推進都民センター(以下、暴追都民センター)の指導、支援をうけるなどして準備を進め、発会へとこぎつけたもので、全国の金融業界では初めての暴力団排除組織の結成。
協議会会員は、東信協の会員・準会員の24信用金庫に㈱しんきん情報サービスなど業界関係団体7法人で、全信用金庫等のコンプライアンス担当役員を委員として全体会議を構成。活動をより実効性あるものとするため、各地区に「地区しんきん『暴力団等排除対策協議会』」を設置した。
活動の柱は、①地区しんきん暴排協の地元警察との連携、②情報交換会の活性化、③不当要求防止責任者講習の受講、④警視庁・暴追都民センターのホームページへのリンク、⑤反社会的勢力情報共有化制度の実施をあげており、特に⑤については、会員が収集した情報を業界で一元的に管理し、共有化するシステムを構築し、悪質な電話や執拗な要求行為など、業務に支障をきたすような事例についても一元的に収集し、会員に注意喚起することで被害の未然防止につなげていくとしている点が注目される。
発会式には、来賓として、警視庁から、組織犯罪対策部長、組織犯罪対策第三課長、同課管理官、関東財務局理財部から理財部長、金融監督第二課長、同局東京財務事務所から事務所長、理財第一課長、暴追都民センターから専務理事が出席、意義ある結成にエールを送った。
暴力団事務所撤去を求める訴訟を支援した事例
A県暴力追放運動推進センターは、「土地を賃貸した不動産会社に対し、地代滞納で賃貸借契約の解除を行ったが、同社はこれに応じないばかりか、同土地にある建物を暴力団員に賃貸し、事務所として使用され困っている」との相談を受け、相談者に対して事務所を撤去するための民事訴訟等の対策をアドバイスするとともに、土地及び建物に対する占有移転禁止の仮処分の申立てに必要な保証金(100万円)を無利子で貸し付けるなどの支援をした結果、暴力団事務所が撤去されました。
暴力団が関与する工事妨害に関する仮処分申請を支援した事例
B県暴力追放運動推進センターは、暴力団が関与する工事妨害等の相談を受け、相談者に対して工事の妨害禁止の仮処分の申立てについてアドバイスしました。その後、相談者から申立てを受けた裁判所は、仮処分を決定し、その結果、工事妨害等による被害の続発が防止されました。
高校生の暴力団への加入を防止した事例
C県暴力追放運動推進センターは、「娘と親しくなった暴力団員から、高校生の息子が組員になるようしつこく迫られている」との母親からの相談を受け、相談内容を検討した結果、暴力団対策法で禁止されている「暴力団への加入強要」事案に当たると判断して警察に通報したところ、その暴力団員の加入強要行為について中止命令が発出され、相談者の息子の暴力団への加入を防止することができました。
暴力団事務所の建設反対運動を展開した事例
D県暴力追放運動推進センターは、自治会から住宅地に建設されるビルが暴力団事務所に使用されるおそれがあるとの相談を受けて、今後の対策についてのアドバイスを行ったところ、その自治会は、全会一致で同ビルの建設阻止を決議し、暴力団事務所建設阻止の署名運動を展開するとともに、市長に対して同ビルの建設阻止を陳情するなど、暴力団事務所建設反対運動を積極的に展開しました。2か月足らずの間に署名者は約3万9,000人に達し、市議会が全会一致で暴力団事務所建設阻止・暴力追放都市宣言・暴力追放推進会議の設置を決議するなど、住民運動が盛り上がり、その結果、事務所の建設を中止させることができました。