暴力団情勢と対策

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暴力団情勢

令和2年における主な暴力団情勢とその対策

  
 六代目山口組と神戸山口組の対立抗争を受け、令和2年1月、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴力団対策法」という。)に基づき、特に警戒を要する区域(以下「警戒区域」という。)等を定めて両団体が「特定抗争指定暴力団等」に指定される中、同年5月には六代目山口組傘下組織幹部が神戸山口組傘下組織幹部に向けて拳銃を発射して負傷させる事件、同年11月には六代目山口組傘下組織幹部らが神戸山口組幹部らに向けて拳銃を発射して負傷させる事件が発生するなど、両団体の対立抗争は継続しています。こうした状況を受け、両団体の特定抗争指定の期限を延長するとともに、同年7月、10月及び12月には警戒区域を新たに追加し、対立抗争の情勢に応じた措置を講じています。
 また、令和2年2月に任侠山口組から名称を変更した絆會も、依然として両団体と対立状態にあります。警察としては、今後も引き続き、市民生活の安全確保に向け、必要な警戒や取締りの徹底に加え、暴力団対策法の効果的な活用等により事件の続発防止を図るとともに、この機会に各団体の弱体化及び壊滅に向けた取組を推進していくこととしています。
 さらに、工藤會については、平成24年12月に「特定危険指定暴力団等」に指定し、以降1年ごとに指定の期限を延長しているところ、令和2年12月には8回目の延長を行いました。
 これまで工藤會に対する集中的な取締りを推進してきた結果、主要幹部を長期にわたり社会隔離するとともに、令和2年2月、本部事務所が解体後、更地になった土地が民間企業に売却されるなどしたことで、工藤會の組織基盤等に相当の打撃を与えています。
 警察としては、今後も、未解決事件の捜査をはじめとした取締りや資金源対策を強力に進めるとともに、工藤會による違法行為の被害者等が提起する損害賠償請求訴訟等に対する必要な支援や離脱者の社会復帰対策を更に推進していくこととしています。
 このほか、暴力団排除の取組を一層進展させるため、暴力団排除に取り組む事業者に対する暴力団情報の適切な提供や保護対策の強化等に取り組んでいます。

暴力団の勢力

暴力団構成員等の状況

 暴力団とは、「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」(「暴力団対策法」第2条第2号)のことをいい、その構成員及び準構成員等(以下、この項において「暴力団構成員等」といいます。)の数※は、令和2年末現在25,900人で、前年と比べ、2,300人減少しました。うち、暴力団構成員の数は13,300人で、前年に比べ1,100人減少し、準構成員等の数は12,700人で、前年に比べ1,100人減少しました。
 

暴力団構成員及び準構成員等の推移 

 

※暴力団構成員等の数は概数であり、各項目を合算した値と合計の値は必ずしも一致しません。
注:準構成員等とは、暴力団構成員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの、又は暴力団若しくは暴力団構成員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するものをいいます。

暴力団の特徴

凶悪化

 暴力団は、自己の意に沿わない事業者に対して、拳銃の発砲、手りゅう弾の投てき、放火等といった報復、見せしめとみられる襲撃事件を敢行したり、組織内部の争いから、銃器を用いた対立抗争事件を引き起こしたりするなど、凶悪事件を敢行しています。

不透明化

 暴力団対策法が施行された後、暴力団は組事務所から代紋、看板等を撤収し、名簿等に構成員の氏名を記載せず、暴力団を示す名刺を使用しないなど、組織実態に関する事実を隠ぺいする傾向が強まってきています。
 また、活動形態においても、社会運動や政治活動を仮装、標ぼうするなど、不透明化の傾向が一層顕著になってきています。

資金獲得活動の多様化

 覚醒剤、賭博等の伝統的な資金獲得活動や民事介入暴力、行政対象暴力等に加え、その組織実態を隠ぺいしながら、建設業、金融・証券市場へ進出して、企業活動を仮装した一般社会での資金獲得活動を活発化させています。
 また、公共事業に介入して資金を獲得したり、公的融資制度等を悪用した詐欺事件や特殊詐欺事件等を多数敢行するなど、社会経済情勢の変化に応じた多種多様な資金獲得活動を行っています。

寡占化

 六代目山口組、神戸山口組、絆會並びに住吉会及び稲川会(以下「主要団体等」といいます。)などの大規模暴力団による組織勢力の寡占化が続いています。令和2年末のこれら主要団体等の暴力団構成員等の総数は18,600人で、暴力団全体の71.8%を占めています。
 しかしながら、全暴力団構成員等の半数弱を占めていた六代目山口組の分裂に伴い、一極集中の状態に変化が生じています。
 
暴力団の資金獲得活動の変遷

 

 

主な事件の発生状況

事業者襲撃事件の発生状況

事業者襲撃等事件の発生状況の推移

対立抗争事件の発生状況

対立抗争事件の発生状況の推移

 

(注):28年末までは、対立抗争事件においては、特定の団体間の特定の原因による一連の対立抗争の発生から終結までを「発生事件数」1事件とし、これらに起因するとみられる不法行為の合計を「発生回数」としていましたが、29年からは、「発生事件数」を「対立抗争認定数」、「発生回数」を「発生件数」と表記しました。

 

企業対象暴力の現状と対策

  企業におけるコンプライアンスが重視され、企業活動そのものに廉潔性、透明性が求められている昨今、暴力団等の反社会的勢力を利用したり、これに資金提供することは厳しい社会的批判を受けることになります。
 また、企業として反社会的勢力への対応を誤ると、経営陣や担当者の責任問題はもとより、株主から賠償請求を受けたり、あるいは企業の信用が失墜し、場合によっては、企業自体の事業継続が困難になるおそれもあります。
 反社会的勢力と関係遮断をすることは、コンプライアンスのみならず企業のリスク管理の観点からも極めて重要です。
 今後、企業が反社会的勢力と知らずに関係を持ち、経済取引等により資金を提供する可能性があることを踏まえれば、反社会的勢力との関係遮断について規則や体制を整備するとともに、取引活動から反社会的勢力を排除する仕組みを構築することが求められています。

総会屋

 
 総会屋とは、単元株を保有し、株主総会で質問、議決等を行うなど株主として活動する一方、コンサルタント料、新聞・雑誌等の購読料、賛助金等の名目で株主権の行使に関して企業から利益の供与を受け、又は受けるおそれがある者をいいます。
 令和2年中、78企業の株主総会に延べ79人の総会屋が出席しています。

総会屋勢力の推移

株主総会開催状況の推移及び総会屋出席状況の推移 

会社ゴロ等及び社会運動等標ぼうゴロ

 
 会社ゴロ等とは、総会屋以外で企業等を対象に不正に利益を求めて暴力的不法行為等を常習とし、又は常習とするおそれのある者をいい、「会社ゴロ」と「新聞ゴロ」に分けられます。
 社会運動等標ぼうゴロとは、社会運動・政治活動を仮装し、又は標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者で、「社会運動標ぼうゴロ」と「政治活動標ぼうゴロ」に分けられます。
 社会運動標ぼうゴロは、人権問題や環境問題に名を借りて、また、政治活動標ぼうゴロは、街宣活動等による組織の威力を行使して、企業等に対して違法、不当な要求を行っています。

会社ゴロ等勢力の推移

社会運動標ぼうゴロ勢力の推移

政治活動標ぼうゴロ勢力の推移

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暴力団情勢(PDF)1.5MB 【冊子「企業・行政対象暴力の現状と暴力団情勢 2021年版」からの抜粋】
 2021/06更新

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